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世界の漬け物

漬け物が食卓を彩るのは日本だけではありません。韓国のキムチをはじめ、中国のザーツァイ、ヨーロッパのピクルス(酢漬け)など漬け物はまさに世界の食文化です。ここでは、各国の代表的な漬け物を紹介します。

中国の漬け物


中国でのザーサイ乾燥作業

中国も日本に負けず劣らず漬け物大国と言えます。日本と同様、塩漬け「鹹菜(シェンーツァイ)」や醤油漬け「醤菜(ジャンツァイ)」、甘酢漬け「糖醋漬菜「タンツゥージーサァイ)」、乳酸発酵漬け「酸菜(シュアンツァイ)」と種類も豊富です。日本でも有名なのは、ダイコンやカブ、ニンジンなどの根菜類を乳酸発酵させた四川料理によく使われる「泡菜(パオツァイ)」や、カラシナの肥大した根瘤部を一度干してから塩と香辛料で漬け込んだ「搾菜(ザーツァイ)」でしょう。特に搾菜は世界的にも有名で、日本では一般のスーパーでも売られているほど浸透しています。

韓国の漬け物
韓国も中国との深い文化交流がある関係で、古くから漬け物に親しんできたお国柄です。「キムチ」はあまりにも有名ですが、それ以外にも味噌などの調味物に漬けた「チャガチ」、塩をたくさん使った塩漬け野菜の「チャンヂ」、浅漬けの「コッチョリ」といった漬け物があります。しかし、何と言っても食文化の中心はキムチで、その種類は数十種類あると言われています。その特徴は野菜を漬ける際、唐辛子やニンニク、果物、アミ(甲殻類の節足動物)、イカ、小魚など多くの材料と一緒に漬け込んで乳酸発酵させている点で、独特の深い風味を醸し出しています。

東南アジアの漬け物
東南アジアの国々にも、それぞれ独自の漬け物文化があります。中でもミャンマーは、東南アジア随一の漬け物王国と言えるほどです。例を挙げれば、青いマンゴーを細く切り米のとぎ汁と薄塩で漬け乳酸発酵させた「レイエチェ」や、モヤシをやはり米のとぎ汁と薄塩に漬け込んだ「ペーピンパウチェ」、タケノコを塩漬けにした「ミエチェ」、さらには茶の葉を蒸してから薄塩に漬け重石をして発酵させた「ラッペ」等があります。そのほか、フィリピンではパパイヤを原料にした「アチャラ」、タイでは野沢菜に似た野菜を薄塩に漬け発酵させた「パクドン」といった漬け物があり、そのまま食べるより炒め物などの材料として使われることが多いようです。

ヨーロッパの漬け物
英語で漬け物のことをピクルスと言うように、ヨーロッパの漬け物といって真っ先に頭に浮かぶのは「ピクルス」でしょう。ピクルスは発酵(主に乳酸発酵)によってつくるものと、発酵させず酢やワインのように保存性のある液に漬けたものの2種類があります。発酵させたものの特徴は、漬け汁にさまざまな香辛料を使うことと酸味がかなり強いことです。これは、肉やチーズ、油っこい料理が多い食文化が影響したものと考えられます。また、酸っぱいキャベツと訳せる「サワークラフト」も有名です。発祥の地であるドイツでは、13世紀には製造会社があったと言われ、ビタミンC の含有量が飛び抜けて多いことから冬のビタミン補給源として貴重な漬け物でした。


※参考文献:小泉武夫著「漬け物大全」